1日で、どこまで遠くに行けるだろうか?
では挑戦してみよう。
00時00分、出発。前日の睡眠時間の調節に失敗したため2時間しか寝ていない。本来、1日の走行距離だけを稼ぐなら、平地だけで、フェリーなどを使わないコースにすべきであるが、それでは気持ちが保つはずがない。そこで今回はしまなみ海道を目指す。
ライムグリーンの車体は夜に映える
00時07分、徳島駅。ここからひたすら国道192号。今日の装備はメインライトにCATEYE HL-EL540、サブライトにFENIX E20,リアはCATEYE TL-LD610,電池はエネループを使用。これで一晩戦えるはず!
徳島駅前
02時03分、貞光サンクス到着。ここまでは剣山などで何回も来ているので気分的に楽である。この時はまだ雨が降っていない。
貞光サンクス
02時57分、三好市通過。この辺りから雨が降り始める。初めは小雨だったが、次第に強くなっていき、雨の中登坂することになった。雨の中、孤独で、真っ暗な坂道を走ることは精神的にかなり辛いものがあり、いっそのこと引き返してしまおうかと思った。
雨の中、三好市入り
04時00分、境目トンネル。夜には絶対来たくなかったが、今回は仕方がない。全長855mのトンネルには明かりが少なく、昼間でも危険である。夜間は車が来ないだけ安全だが、本能的な恐怖を感じた。
恐怖の境目トンネル
境目トンネルを越えると愛媛県に入る。愛媛県側は長い下り坂になったおり、路面に写真のような縦溝が掘ってある。夜間でわかりにくく、下り坂でスピードが乗った状態で突っ込んでしまい、危うく落車しかける。路面がウエットな状態では恐ろしいほどにグリップしない。危険過ぎるので白線の外側を徐行する。
自転車にとっては脅威
04時50分、川之江に到着。近くのサンクスで休憩と補給をする。空が明るくなるに従って、気分も明るくなっていった。ここで約100kmであるが雨に降られたため、チェーンオイルが流れ落ちており、道中大丈夫なのか不安になる。
川之江
ここから、国道11号、県道を経て、国道196号を走る。
07時34分、今治市に入る。ここまで長かった。
今治市
08時09分、今治城。本当は見る気はなかったのだが、道に迷ってしまい市街地を走り回る。しばらくして標識を見つけ、国道317号にでる。
今治城
国道317号には、写真のように道路にラインが引かれており、これをたどって行けば尾道まで行けるようになっている。
非常に助かる
しかし、私は道に迷った。気がついたら、しまなみ海道を明らかに通り過ぎており、地元の小さな漁港に迷い込んだ。仕方ないので記念に一枚。ここから少し引き返す。おかげで余分に走ることになってしまった。
なぜか迷子になる
迷う原因となったのが、下の写真。普段、私は車道の左側を走行しているが、しまなみ海道への道が右側に分岐しており、標識は右にしか建っていない。自転車は左側を走るものであるので、標識ぐらいは左側に建てておいて欲しいものある。私がよく見ていないのが原因であるが、この時は少しイラっとした。疲れていたのだろう。
左側にあって欲しかった
09時01分、しまなみ海道。尾道へは約70km。来島海峡大橋を通って大島へ。橋の通行料は200円。橋の上は風も少なく快適。ただし、道幅は狭く、歩行者も居るのでのんびりと景色を楽しんで走る。
来島海峡大橋
しまなみ海道には下のような案内板が各所に設置してある。今回は時間の制約もあり、観光はしなかったが、時間ある場合はのんびりとサイクリングを楽しみたいものである。
案内板
大島のサイクリングロードはアップダウンがあり、すでに200km近く走っている人間には意外と辛かった。疲労さえなければ全く苦にならない程度の坂なのだが。伯方・大島大橋で伯方島へ向かう。通行料は50円。
伯方・大島大橋
伯方島の道の駅で塩ソフト(250円)を食べる。一口食べると後味で塩が入っているのがわかる。美味い!少し元気がでた。塩ソフトの他にも塩アイスなるものもあった。店先で食べていると、自転車に乗った人がやってきて次々に塩ソフトを注文していく。人気があるらしい。
塩ソフト
大三島橋は伯方島と大三島を繫ぐ。通行料は50円。しまなみ海道の中で小さい橋のように見えた。多分低いからだと思う。
大三島橋
大三島と生口島を結ぶのが多々羅大橋。通行料は100円。いい感じの写真が撮れた。しまなみ海道の個人的ベストショットかもしれない。
多々羅大橋
12時00分、生口橋で因島へ向かう。通行料は50円。ここまで232km。あと12時間で帰って来れるか不安になる。
生口橋
因島大橋で向島へ。通行料は50円。 他の橋は自動車道の横を歩行者自転車道が通っているが、この因島大橋は下に通っている。制限速度30km/hと書かれていたが、そんな速度で走ったら危険である。ここもゆっくり走り抜ける。
因島大橋
尾道には渡し船で向かう。大人100円に自転車運賃10円の合計110円。渡し船というより小さなフェリーである。尾道は目の前なので、乗船時間は数分間である。
渡し船乗り場
13時40分、尾道に上陸。写真の向かい側が向島。本当に目と鼻の先。しまなみ海道の橋の通行料は合わせて500円。最後の渡し船代と合わせて610円である。
尾道に上陸
渡し船乗り場のすぐ近くに国道2号が通っている。この国道2号を通って岡山まで行き、フェリーで高松を目指す。60kmぐらいかと思っていたら約80kmと意外と遠い。本当に0時までに帰って来れるのか内心焦る。
岡山まで78km
15時09分、岡山県に入る。走行距離はすでに300km近い。しばらく国道2号を走っていたが、倉敷辺りで高架道路になっている部分が多くなり、県道22号にエスケープして玉野を目指す。この選択が後のフェリーに大きく関わっている。
300kmを越えた辺りから強烈にお尻が痛くなった。まだ座っていられるレベルであったので我慢してペダルを回し続ける。更に、喉が無性に渇くようになり、水分の摂取量がかなり増える。体が悲鳴を上げている気がしたが、気持ちが前向きであったので走ることができた。
岡山県笠岡市
18時04分、宇野港到着。18時05分に出航するフェリーにギリギリ間に合った。かなり急いでいたため写真は乗船後のもの。ここから高松港へは1時間の船旅になる。高松港の到着時刻が19時過ぎ、高松徳島間は75kmなので、0時までには余裕で帰ることができると確信。このフェリーに間に合ったことが決定的だった。逆に間に合っていなかったら難しかったかもしれない。
宇野港を出航
高松に着いてからは国道11号で徳島へ。国道11号は数えられないくらい走っている。だからこそ気持ちは楽であるが、同時に残りの距離がすぐわかるので苦しかったりする。
高松市内
21時10分、引田駅。徳島へは残り40kmを切っている。この先は長く寂しい夜の海岸線。とにかく走り続ける。ペダルを回し続けないと家に帰ることはできない。家に帰りたい。この苦しみを終わらせて眠りたい。
引田駅前
鳴門インターを過ぎたあたりで、お尻が限界でダンシングして進むことが多くなった。サドルに座っていることが苦痛で仕方がなかった。あと10km、9km・・・と頭の中でカウントダウンしていく。ゴールはすぐそこだ。
吉野川を越えて
22時58分、旅の終焉。本当に長かった。今まで人生でこれほど自転車に乗った日はなかった。24時間以内にあったこと、考えたことが多すぎて頭の中がすっきりしない。達成感がありすぎて、逆に達成感がない。とにかく疲れた。1日400kmオーバーは伊達じゃない。
しかし、非常に良い思い出になった。今日のことは忘れないだろう。
走行距離:423.85km
走行時間:16時間56分(Ave 25.01km/h)
所用時間:22時間58分
TREK2.3 585km/月 7325km/年 11679km/積算